育児ノイローゼから起業へ|コンプレックスを才能に変える占星術×コーチングの力 占星術✕コーチング/星読みコーチング主宰 小河久美

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育児ノイローゼから起業へ 人生を変えた一言と私の原点

9年前、長男を出産した直後から私は育児ノイローゼに陥りました。ワンオペ育児が続き、完璧主義も発動して、苦しい日々が続きました。それまで「お母さんになることが幸せ」と信じていた私にとって、現実との落差は想像以上に厳しいものでした。上の子も可愛く思えなくなってきて、追い詰められていました。

「このままお母さんとして生きていたら、きっと家族崩壊だ」

「このまま行ったら、私はいつか子どもに手を上げてしまう……」

そんなふうに追い詰められていた時、夫が何気なく言った一言が私の人生を変えることになります。

「自分の世界を作った方がいい」

後から聞いたところによると、夫はそれほど深い意味を込めてその言葉を発したわけではなかったようです。ただ、いつも子育てだけに熱心な私を見て、「もっと自分のやりたいことや楽しいことをした方がいいのでは」と夫は思ったのだとか。

でも、この一言が私の閉ざされていた扉を少し開いてくれました。

その頃から、私は色々なブログを見たりして、情報を手に入れるようになりました。そこで、ある女性コーチのブログを見つけたんです。私と同年代で子育てもしているのに、多くの人に囲まれ、キラキラと輝いている姿に惹かれたのです。大阪で開催される個別相談に勇気を出して申し込み、その日のうちに契約。

そこから私の起業が始まりました。

起業前の経験で現在に影響しているのは、独身時代に働いていた損害保険会社での仕事です。主に電話での自動車事故の示談交渉を担当していました。顔の見えない相手の状況を汲み取りながら交渉する洞察力や対話力は、今の仕事に大きく活かされています。

相手がいまどういう気持ちで、どういう背景で、この言葉を発しているのだろうか。どうしたら相手の懐に入ることができるのだろうか。

そんなことを考えながら、いつも対応していました。

当時はクレーム対応で落ち込み、お風呂の中で泣くこともありましたが、職場の方々に恵まれていたので乗り切ることができていたのです。相手の気持ちを声だけで読み取る力、マニュアル通りにいかない状況で臨機応変に対応する能力が、今のコーチングスキルの土台になっています。

弱みを才能に変える 占星術とコーチングを融合した独自の事業スタイル

私の事業は「コンプレックスや弱みは天才性」というコンセプトにあります。

「自分はこういうところがだめ」

「人に比べて、ここが劣っていると思う」

よくそうやって言う人がいますが、私はその部分もその人の魅力だと考えています。自分がネガティブに捉えている部分こそ、その人の強みなんです。自分の強みをネガティブに捉えている人は、やっていることが星回りと逆のことをやっている人が多い印象です。だからこそ、占星術とコーチングを融合させ、その人がまだ発揮できていない資質を引き出し、才能として育成するサポートをしています。

しかし、この事業形態に至るまでには紆余曲折がありました。起業当初は、好きと言える唯一のことだったファッションコンサルタントとして始めました。3年間努力しましたが、集客もできず、売上もほとんど上がらず、行き詰まりを感じていました。

「もうやめようかな」と悩んでいた時、ある方のブログで紹介されていた占星術の本に惹かれて購入しました。それが私の人生を変えることになります。

一晩中ホロスコープの解析に没頭し、「これ、面白すぎる! 占いにしてはすごく詳しい!」と感動しました。

純粋な気持ちで学びをFacebookで発信し始めると、「私も見てほしい」という声が届くようになり、個人鑑定を始めました。私は色々な方の星回りを見るのが楽しくて、夢中で個人鑑定をやっていたんです。やがて「久美さんに教えてほしい」と講座を開くことを頼まれるまでになりました。

占星術で鑑定するうちに、星を知っても、なかなか行動に移せない人が多いという課題に気づきました。そこにモヤモヤする自分がいたんですね。自分の星回りを知っても、思い込みや思考癖はなかなか治らないことに気づいたんです。

そこでコーチングを学び、占星術の知恵と行動変容を促すコーチングを組み合わせた現在の事業スタイルが形成されていきました。

コンプレックスこそ天才性 事業に込めた想いと信頼へのこだわり

私が事業を通して届けたい一番の価値は、先ほどもお話しましたが、自分が否定している過去やコンプレックスなど、ネガティブな部分こそが、誰かの価値に変わるということです。

これは、私自身の経験から生まれました。私はずっと、いいお母さんになることを人生のゴールだと思っていました。でも、自分のホロスコープを分析してみると、私の星は全く違うことを示していたのです。私のアセンダントには独立星があり、組織や家庭に収まりにくい性質なんです。

「この星の配置だと結婚でさえよくできたし、生涯孤独でもおかしくない」

と思ったほどです。

実際に、家庭に収まろうとすればするほど、周囲に迷惑をかけ、自分自身もストレスを抱えていました。起業して別の方向に舵を切った今、家族は不幸になるどころか、むしろ良い関係が築けています。そして私の講座を通して喜んでくれる人も増えました。

この体験から、人の弱みと思われる部分こそが、実は最大の才能になりうると確信しています。

また、仕事をする上で大切にしているのは、信頼貯金という考え方です。

「誰も見ていない部分こそ丁寧に、誠実に」

「SNS以外でこそ人格者であれ」

という信念を私は持っています。

日常生活の振る舞いにこそ人格が表れ、それは必ず仕事にも滲み出てくるものだからです。この考え方は表向きは輝いているリーダーやコンサルタントでも、見えないところでチームメンバーを怒鳴ったり、返信を放置したりする姿を見てきたから生まれました。そういう経験から、私は返信を早くする、振込みを迅速にするなど、地味なことにこだわります。

見ている人は見ています。

そういう積み重ねが、この人なら任せられるという信頼につながると信じています。

泥臭い挑戦の先にある成功

起業家として最も大きな成功体験のひとつは、初めてのメールマガジン開設時に2時間足らずで200人以上の登録をいただいたことです。それまでほぼ毎日Facebookで発信を続けてきたことが実を結んだ瞬間でした。数字はすべてではありませんが、「見てくれていた」「応援してくれていた」という感謝が湧き、続けてきて良かったと思いました。

発信を続けてきて良かったと感じるのは、直接コメントをくださる方だけでなく、「実はずっと読んでいました」と後からメッセージをくださるフォロワーの存在に気づいた時です。いいねの数とか表面的なことに囚われるのではなく、見えないところでも見ている人がいることに気づき、これが私の発信を支える力になっています。

一方で、私が起業家として直面した最大の挑戦は、プライベートでの決断でした。子供をもう一人授かれないなら、養子を迎えるかという選択です。夫と本音で話し合い、最終的に諦めるという選択をしました。不思議なことに、この治療を最後にしようと心から思えた瞬間、私は妊娠していたのです。不妊治療に夫はとても協力してくれていたので、「この人と二人でも悪くないかもしれない」と思えたときでした。

このことは手放すこと、力を抜くことの大切さを教えてくれました。

起業してからは、お客様との関わり方にも苦労しました。「この人はどうして変わらないのだろう」と悩んだ時期もありましたが、シンプルに人は変えられないという真理に気づきました。

母性の強い傾向がある私は「なんとかしてあげなきゃ、変えてあげたい」という気持ちがありましたが、それが相手の成長を妨げることもあると知り、コーチングを学ぶきっかけになりました。

私の講座を受けた方々に共通して見られる大きな変化があります。それはSNSの発信の変化です。最初に私のことを「SNSで見て、嫌いだった」と言っていた主婦の受講生がいました。でも、ちょうど私がファッションから占星術に軸足を移した時期に、なぜか気になったようで、お申し込みいただいたのです。

その方は「主婦だけど何かやりたい。でも何をすればいいのかわからない」と迷走していました。でも、ご自身の星を学ぶ中で「私も星読みをしたい」とびっくりするほどのスピードで決断され、今では星読みカウンセラーとして起業されています。

実は昔からスピリチュアルなことに興味はあったけれど、「それをどうすればいいの?」という状態だったそうです。でも、自分の星を知って「自分の使命感ってこれかな」という確信を持てたから、行動が早かったのだと思います。人は自信ではなく、確信があって初めて行動できるのだと私は気づきました。

私の講座を受ける方の多くは起業されている女性で、皆さん発信に悩まれています。

自分に確信が持てない。

仕事の方向性に自信がない。

自分の価値観がよくわからない。

そんな状態では、発信にも迷いが出てしまいます。

でも、講座で自分の星を知り、思考の癖も理解してアウトプットしていくうちに、だんだん取り繕った感じが取れていくのです。最初は勇気がいりますが、徐々に、みんなに合わせた当たり障りのない発信から「私はこう思う」「私だからこう思う」という、その人らしさが入った発信に変わっていきます。

自分の軸がしっかりしてくると、「私はこういうことを伝えたい」「こういう人に届けたい」ということも見えてくるのです。本当の自分が出てくる瞬間を見せていただけることが、私にとって何よりの喜びです。

占星術を才能開花のツールに

今後は、占星術をただの占いとしてではなく、人材育成や能力開発の分野に取り入れていきたいと考えています。個人だけでなく、企業でなかなか自分の力を発揮できず肩身が狭い思いをしている人、組織からはみ出してしまう人の才能を引き出し、育成する研修事業を展開したいです。企業向けの研修では、一見「扱いづらい」「問題がある」と思われがちな人材の隠れた才能を、ホロスコープを通じて掘り起こしていきたいと思います。

適材適所という言葉がありますが、その人に合った仕事や働き方、分野を見出し、そういったものをサポートするお手伝いができればと考えています。

また、子どもの教育にも関わりたいという思いがあります。不思議なことですが、母親になる前から私は子どもの教育に強い関心を持っていました。子どもの英語の先生や家庭教師をしたり、子ども関連の仕事を選んだりしていたのです。

未来を担うのは子どもたちです。今は本当に多様な子どもがいますが、その個性を活かすか殺すかは、周りの環境や大人次第です。小さい頃から「こういう個性なんだ」と否定されずに伸ばしてもらう環境があれば、世の中はもっと生きやすくなるのではないでしょうか。そんな子どもたちの可能性を広げる活動にも取り組んでいきたいと思います。

弱みを才能に変えて、自分だけの最適解を生きる

今の世の中、起業する人はどんどん増え、自分で仕事を創り出せるチャンスの時代になりました。と同時に、情報の大洪水の中で「自分以外の人はみんな成功している」「他の人はキラキラ輝いている」と比較して疲弊してしまうこともあるかもしれません。私自身も起業して7年間、周りに翻弄されたり自信が持てなかったり、挫けそうになったことが何度もありました。

でも、確実に言えることは、起業の世界にはこれが正解もこれが成功もないということです。

振り返れば、私の起業の道を支えてくれたのは何よりも身近な存在である夫でした。いつも励ましてくれたわけではなく、ときにはイライラさせられることもありましたが、「好きにしたらいい」と見守ってくれる存在です。情報の洪水に流されそうになるとき、目の前にいる身近な人からの一言が、意外にも正解だったりします。

だから、身近な人を大切にしてください。身近な人の先にいるのがお客様です。

時には、誰かの正解や成功例に振り回されることもあるかもしれない。それを無理に追いかけると、あなたの起業人生は短命に終わってしまうかもしれません。いろんな情報を参考にしつつも、自分だけの最適解を持って進める人こそが、多くの価値を届けられるはずです。

また、私は「泥臭く」という言葉を大切にしています。起業は華やかに見えますが、実際は綺麗事だけでは済みません。見えない努力や地道な継続こそが、何よりも大切なのです。キラキラした華やかさは、そういった見えない土台作りの上にこそ成り立ちます。

人間はだれでも、内側に眠る可能性の宝物を持っています。そして、その宝物は、あなたが弱みと思い込んでいる場所に隠れているのかもしれません。一緒に楽しみながらも、泥臭くやっていきましょう。

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